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![]() 日本における銀線細工の歴史大航海時代、日本にも銀線細工は伝わってきていました。 詳しいことははっきりとはわかっていないようですが、かすかに残る諸説をわたしなりにまとめてみました。 まずはわかりやすいように西洋との貿易についての年表を。 1543年 種子島にポルトガル人が漂着。鉄砲伝来。 今も日本の工芸用語では、フィリグリー、銀線細工のことを、平戸細工、と呼ぶことがよくあるようです。 この平戸細工、今伝わる説では、長崎・平戸にオランダ人が持ち込んだという説が多いようですが、平戸における南蛮貿易はポルトガルとの交易が先に始まったと言うことと、フィリグリーそのものはイスラム文化圏において発展したもの。 おそらく当時から、オランダよりはポルトガルやスペインなど、イスラム文化の色濃く残る地域で発展していたでしょうから(今もスペイン・ポルトガルにはフィリグリーの産地はわずかながら残っていますがオランダには残っていないようです)、伝えたのはオランダ人ではなく、ポルトガル人かスペイン人ではないかな、、とわたしは勝手に推察しています 南蛮貿易で日本側が輸入した物というと、鉄砲だったりサツマイモなどの農産物だったり、、と色々と有名ですが、当時日本にやってきた南蛮人は、日本で生産する銅や銀を持ち帰っていたようです。 wikipediaにもありますが、当時のヨーロッパ人は日本が大変高度な工業技術と高い文化を兼ね備えていて都市化していたこと、また職人の技術が高いことに驚いたようです。 さほど資源が豊富でない日本からわざわざ銅や銀を輸入していたと言うのも、当時の日本の製錬技術(鉱石を還元することによって金属を取り出す過程のこと)を高く評価してからだったようです。 金属の精錬は既に高度に発達していたということと、彫金などの別の技術では、高度な金属工芸職人が既に存在していたのでしたら、南蛮貿易からもたらされたフィリグリーを見てもすぐに、日本の工芸職人さんがその技法を導入できたのかもしれませんね。 その後江戸時代に入ると、ご存じのように江戸幕府は鎖国するのですが、その際平戸港を閉め、長崎に商館を移し、長崎・出島のみを唯一の貿易港として、オランダとだけ貿易をすることになります。 それと時を同じくして、江戸時代初期には、長崎に、銀屋町という銀細工職人が住む町ができあがっていたとされています。(>>こちらを参照) それがおそらく平戸にいた平戸細工、銀細工の工芸職人が長崎に移り住んだ、ということだろうとのことです。 しかし現在は平戸にも長崎にも銀線細工職人さんはおられません。 なんと、うーんと距離を隔てて、秋田県に銀線細工職人さんがおられるのです。 そして今では、秋田県指定の伝統工芸品の一つとして挙げられています。 本当に歴史の流れって面白いですね。。 どうして平戸細工とよばれた銀線細工が秋田県に渡り、秋田で花咲いたかは、はっきりとはわかっていないようですが、
という二つの理由があるようです。 それで江戸時代に秋田の方で銀線細工が盛んになり、当時のカンザシや帯留め、根付などをつくるようになったらしい、ということなのです。 フィリグリー芸術が最高峰を極めた中世欧州では、植民地として支配した宗主国が植民地で職人を使って宮廷品を作らせた、といういきさつと違って、日本の場合はヨーロッパの植民地になったわけではないのに、日本の職人さんが技術を取り込み(おそらく初めは教えてもらったのでしょうが)その後継承していったという図式は、随分違いがありますね。 日本の場合はヨーロッパと違って、江戸時代の文化は上流階級だけのもの、というよりも、庶民にまで行きわたった文化を持つという、世界的に珍しい時代ですから、ちょっとお金に余裕のある武士や商人が銀線細工を買い求めたために、この技術が長く生き残ったのでしょう。 今現在、秋田でも職人さんは大変少ないようですが、秋田の伝統工芸品ということで、秋田特産の高級なお土産品としても宣伝しています(こちら参照・・作り方の記事もあります)。 また、日展に入選されるような名人と呼ばれる銀線細工職人の方もおられます。 わたしたちが気軽に手にとってみられるようなお値段ではないようですが、秋田の名産として、秋田の自然をモチーフにした作品などを生み出されているようです。 >>こちらを参照(名工会・進藤さんの記事) このようにフィリグリーの技術と文化が古代から面々と続き世界中に広がっていたと言うこと、日本でもその文化がまだかすかにあるのだということを知っていただければ、より、一層、フィリグリー・銀線細工工芸、文化に愛着を持っていただけるのではないかな、、などと思っております。
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