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ホーム 5-2' エルミタージュ美術館のフィリグリー芸術コレクション


エルミタージュ美術館コレクション


ロシア・エルミタージュ美術館(wikipedia)のコレクションのフィリグリー芸術作品の展示会が数年前にあったようで、その本が出版されているのを発見しました。
この本の内容が大変素晴らしい!!長年フィリグリーの歴史を探し求めていたわたしにとっては涙ものでした。(>>Putih Manis Blog
17~18世紀頃、大航海時代に、多くの銀細工職人、フィリグリー(銀線細工)職人・作家(その多くが作家の名前を残していません)が活躍していたかがつぶさにわかるような作品の数々。


こちらの文章も追ってご紹介したいと思いますが、こちらに掲載されていたフィリグリーの歴史としては、
「大航海時代初期、覇権を握ったポルトガル、スペインが、それぞれ領土にしたり、航海で渡っていた地域にフィリグリー技術を持ち込んだ。そこで技術を得た職人、主に中国人、インド人、またはバタヴィア人(インドネシア人)を使って、宮廷細工を作らせ、ヨーロッパ宮廷に持ち帰った」
というのが主な歴史のようでした。

確かに今フィリグリー職人の村が残っているのは、ポルトガル、スペイン船が立ち寄った国の奥地ばかりです。(参照:現代のフィリグリー

残念ながら中国はその後の歴史の変動で職人さんが残っているとは聞いたことがありませんが、こちらの本に掲載されていた明らかに中国文化の影響を受けた、フィリグリー細工は傑作です。
またインド人作家も多く活躍していたようですね。(現在、かすかに残るのみでほとんど現地にも残っていないようです。)

この本から大きく写真が掲載されていたものから抜粋して、スキャンして掲載しました。
写真をクリックするとさらに大きくなります。目の保養になりますので、是非ご覧ください。




ロシア、ロマノフ王朝初代皇帝
ピョートル大帝(1671-1725)
(wikipedia)




こちらも有名ですね。
エカチェリーナ2世(1729-1796)
(wikipedia)

下でご紹介するコレクションは、主にエカチェリーナ大帝が使用していたとされる工芸品のようです。
(もともとエルミタージュはエカチェリーナの所蔵品を集めるための美術館だったそうで)
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Silver Wonders from the East : Filigree of the Tsars
という書籍から、一部の作品の写真を抜粋掲載しています。
作品説明についてもこの本にあるものを抜粋、訳しています。
以下、一応推定の年代順に掲載。




クリックするとさらに大きな写真が別画面で表示されます


チェスト

作者不明
生産地・インド・ゴア(推定)
17世紀前半ごろ
銀製、フィリグリー
上(H22cm L26cm W17cm)
左下(H13cm L17cm W10cm)
右下(H11cm L17cm W10cm)


上のチェストの上部はシークレットボックスになっており、カバーはペンケースとして開けられる。
おそらくはカトリック教会が祭壇を飾るものとしてオーダーしたのであろう。



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作者不明
推定生産地・中国
17世紀中頃
銀製・フィリグリー,直径25cm


中央にある花飾りの花弁が広がっていく模様は、中国式と考えられる。
1789年、エカチェリーナ大帝の命により冬宮殿(今のエルミタージュ)に収蔵




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キャンドルセット・ペア

作者不明
生産地・インドもしくはバタヴィア(今のインドネシアジャカルタ・推定)
17世紀後半~18世紀初頭
銀製フィリグリー
H17 底直径14cm
1789年冬宮殿に収蔵


持ち手部分は渦巻模様のフィリグリーで、他の部分は花模様で編み込まれている。




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小さな八角形のチェスト

作者不明
生産地:インド(推定)
18世紀初頭
銀製フィリグリー、金張り、エメラルド、ルビーなど
H7cm W9 D7
1789年冬宮殿に収蔵


エメラルドやルビーを金属で取りつける方法はインドによく見られる。
エルミタージュにも、フィリグリーと石をこのように組み合わせた作品は他で見ることはない。



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洗面道具セットの鏡

作者不明
生産地・中国(推定)
1740-1750年頃
さらにヨーロッパでダイアモンドとパールを加えられている
銀製フィリグリー、金箔張り、木材、真珠、エナメルペイントなど
H55 W27
1789年エカチェリーナ大帝により冬宮殿に収蔵


ロシアに届いた時、フィリグリーがまだ貧弱と思われたのであろう。のちにダイヤや真珠を加えられている。
鏡下部の引き出しに花の模様、両脇に竜が金張りのフィリグリーで彩られている。



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洗面道具セット

作者不明
生産地:インド・デカン地方(推定)
銀製フィリグリー、ガラス、マホガニー
鏡の大きさ H74 W49
1789年エカチェリーナ大帝により冬宮殿に収蔵


鏡のフレームが緻密な銀のフィリグリーで出来ている。このフレームラインは、カーネーションを模した形でインド芸術の特徴を表している。




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金のフィリグリーと象牙のブレスレット

Master Leeching(中国人作家)作
1850-1860頃


竜と2羽の鳥、とびねずみをフィリグリーで作ったパーツと、象牙のパーツを4つずつ組み合わせた美しいジュエリー。
(全長17cmのブレスレットですので、このフィリグリーパーツは計算しますと、大きくても2cm×3cm程度の小さなパーツですね)
(珍しく作家の名前が残る)彼の作品の多くはジュエリーで、エルミタージュに保管されている。


いかがでしたでしょうか。
わたしのつたない訳ですが、フィリグリー・銀線細工芸術の最高峰ともいえるコレクションを少しでも見ていただいて、フィリグリー・銀線細工が「芸術」であったことを皆さんに知っていただければ幸いです。

また追ってこちらの本にある、フィリグリー技術の伝播についての歴史を訳していきたいと思います。(どうもwikipediaよりこちらの方がより正確に調査されているようです)





◆参考◆

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